家庭内暴力タイプの不登校(子が親や兄弟に対して)

重要ポイント その1

内面(うちづら)と外面(そとづら)

家庭で荒れたり暴力をふるう子の多くは、学校では意外とおとなしく目立たない子が多いようです。先生から注意をうけても反発する様子もないし、口ごたえもほとんどしません。むしろ扱いやすい子と言えるかもしれません。ところが、家庭での様子をきくと全くの正反対。口のきき方はきたないわ、親を自分の手足のように使うわと、内(家庭)と外(学校)のギャップの大きさに驚かされるばかりです。

 

重要ポイント その2

(子どもを)避けても、(要求に)応じてもダメ

子どもの荒れや家庭内暴力が日常化してくると、親は徐々に子どもを避けるようになります。もちろん日頃の態度や表情も同様に避けたがっている気持ちがありありと出てしまいます。また、子どもを刺激しないことばかりに神経を注ぎ、暴力をふるわせないように子どものいうことをきくように(=言いなり・子どもの手足に)なります。これが悲劇のはじまりです。子どもは親が自分を避けていることに気づいて過敏になったり、要求に応じたその時だけはいったん落ちつくものの次第に要求がエスカレートしたり、要求の頻度が高まったりと状況は悪化の一途をたどります。兄弟がいればなおさらです。他の兄弟に被害が及ばないように親御さんもいっそうに必死に暴力を防ごうとします。やがて親の方が精魂疲れはててしまい、結果として、解決がいっそう困難になってしまいます。

 

重要ポイント その3

暴力でしか表せない主張(=本音)

荒れる子や家庭内暴力の子の特徴をみてみると、「テンポがゆっくり」が持ち味の子や、もともと「口数が少ない」子や「受け身」だった子が多く、あまり親に反発しなかったり、言いたいことを言い慣れてない子が多いようです。そんな子が思春期をむかえ自我が強くなってくると苦労します。だいたい小学校5年生から中学生あたりです。子どもはこれまでの経験から、何か言いたいことがあっても「どんな風に言ったらいいのかわからない」「はっきり言ったら叱られないか心配」といったことが気になって、なかなか言えないまま育ってきているわけです。また、ゆっくりテンポのため、なんども親に先を越されてしまいます。特に「言いたいこと・やろうとしていること」があるのに、「早くお風呂はいりなさい」「宿題もうしたの?」と親から先に言われてしまうとイライラが高まってきます。「今言おうとおもったのに」「言われなくてもわかってるのに」とストレスを感じるようになるのです。結果的に、言いたいことが言えない(わかってもらえない)ストレスが溜まりにたまり、荒れる・暴力をふるうという形でしか発散できないようになってしまうのです。

 

重要ポイント その4

「王様」と「奴隷」の親子関係

荒れたり暴力をふるうのをおさえようとして子どもの要求をのんでしまうと、これまた大変です。荒れる・暴れるということが非常に有効だ(唯一の方法だ)と感じるようになり、家庭以外のストレスや将来の不安といったことも荒れるという形で表現するようになります。また、「親を自分の手足のように使う」「高額な物を買わされる」と要求がエスカレートし、ついには親を奴隷のようにこきつかうになることもよくある事です。一方の子どもはというと、いくら親が尽くしたり言いなりになっても相変わらず「あれしろ、これしろ」の要求ばかり。これでは「言いたいことを言葉にする」という方向に改善しないばかりか、家庭内暴力を増長しかねません。また、カウンセラーや精神科医などの専門家に相談する場合でも、親が疲れていたり逃げ腰になっていると、いくら対応のアドバイスをもらっても実行する気力が湧かない場合も多く、できるだけ気力に余裕がある状態でカウンセリングをスタートすることが望ましいのです。

 

解決のポイント その1

言いたいことがしっかり言える子に

「親がせっかちだからこうなった」と考えるのは、それこそせっかちな考え方です。親がせかさないことはもちろんのこと、もっと大切なことがあります。それは子ども自身が「表現力をつける」「言い返す力をつける」ことです。子どもが力をつけるまではペースを合わせてやっても、最終的には親がせかしても「待って!」「せかすな!」と言い返したり、せかされても自分の言いたいことを言い切るぐらいの力をつけられると完璧です。

 

解決のポイント その2

子どもの「依存心」には要注意

親を動かすことに味をしめてしまうと、それが習慣になって元に戻すのも一苦労です。小さなことからでもコツコツと減らしていきましょう。子どもに言われる前にやってあげていることはありませんか?。「あれしろ、これしろ」も断り方を工夫できませんか?。また、意外と重要なのが「質問」や「迷い」に答える時です。「どの服を着たらいい?」と聞いてきたり、「どのハンバーガーにしようかなー」とメニューを迷っている時など、親がすぐに答えずに本人に上手に考えさせるとうまくいきます。

 

解決のポイント その3

「落ちついている時」にこそしっかり頑張る

荒れている状態の中でも比較的おだやかな時はありませんか?。子どもの自己主張が伸びてきた時もそうですが、落ちついている時やうまくいきかけている時に気をぬかないことが肝心です。当センターに相談にこられる方の中にも、良くなりかけてまた悪くなるというパターンを繰り返す方がおられます。たいていの場合は「油断」が原因です。ずっと「忍の一字」で耐えてこられた辛さはよくわかりますが、荒れる子ほど親の変化に敏感です。安全圏に入るまではご辛抱を。

 

《参考》 学校の先生(担任教師)むけチェックリスト

学校(担任)の先生からみた「家庭で荒れる子」チェックリスト

自己

* チェックが多いからといって、必ずしも家庭で荒れているとは限りません。ご心配の場合はもっともな理由をつけて学校に呼び出すと効果的です。