ギリギリタイプの高校生の不登校

ギリギリタイプの高校生の不登校

再登校を願う気持ちに変化が・・

高校生の子どもが不登校になったものの休み始めてからしばらくは、親御さんの方には「なんとか早く再登校させよう」という気力があります。ところが、年を越して三学期に入ってしまうと話は別です。アッという間に二月三月と、すぐに「学年末」を意識する時期になってしまいます。これまで「一日でも早く再登校を」と望んでこられたご両親や先生方ですが、不登校が長期化し、この時期になっても登校できないとなると、気持ちの中に少なからず「迷い」が生じてくるのではないでしょうか。

「ここまできたら学年の変わり目の方が再登校しやすいかも・・」

そうです。「一日でも早く再登校を」から「次のキリの良い時から」に目を向けたくなってくるのです。特に高校生は「留年」がかかってきますので「進級の見込み」ができた時にそう考えるかもしれません。逆に、留年も危ないままに学年末が近づいてしまうと大ピンチ。「ここまできたら留年も仕方がないか」「この際、通信制や定時制などに環境をかえてやろうか」と、「再登校させよう」というモチベーションそのものが萎えてしまいかねません。

 

親や教師の努力が裏目に

不登校が長期化したり留年のタイムリミットが近づいてきているのに、毎日パソコンやゲームに明け暮れたりテレビをみてゲラゲラ笑ったりと、不登校なのに一見のんびり構えているように見える子がいます。再登校の意思を確かめようと学校の話題をさりげなく向けてものってこないし、真剣につめよると部屋にこもってしまったり、中には「もう行かへん!」と投げやりな態度とってしまう子も・・。担任の先生が家庭訪問をしても部屋にこもって出てこなかったり。また、やっと対面できたと思っても口を貝のように閉じてしまったりと、親や教師が努力すればするほど、いっそう反発する子が多いのです。いつしか、「この子はもう再登校する気がないんだ」「不登校のことを相談する気がないんだから放っておくしかないな」と、再登校(不登校の解決)をあきらめるムードに・・。そして、ついには親子の会話がいっそう少なくなって(全くなくなって)しまうのです。不登校の原因をつめよれば逃げる、再登校を強くすすめると反発する、もちろん言い方を優しくしてもかわされる・・・親や教師の努力がすべて裏目にでてしまう子にとって、他に打つ手はあるのでしょうか。

 

ギリギリタイプの不登校の解決法 その1

再登校の「キリの良さ」と、留年の「ギリギリ」

「再登校しやすいタイミング」と聞いて真っ先に頭にうかぶのが「キリの良さ=タイミングの良さ」ではないでしょうか。実際に学期や学年の変わり目から動き始める子がたくさんいます。月の変わり目や週の始まりもキリが良いと感じる子もいます。その次に多い「キリの良さ=タイミングの良さ」は、遠足や体育祭などの行事や短い時間で終わる日などの特別な日でしょうか。修学旅行や卒業アルバムの撮影など、一回しかチャンスがないものも良いキリ・タイミングと言えるでしょう。

しかし、一方ではキリの良さや行事予定だけでは再登校できない子もたくさんいます。そんな子の中で意外と多いのが「せっぱつまらないと動けない子」です。これがいわゆる「ギリギリタイプの子」なのです。普段は登校していた時のイヤな経験や再登校の際の不安な事を考えないようにしたり、「その気」になるまでに時間がかかるため、周囲の大人がいくら努力してもなかなか再登校にもちこめないのです。ところが、そんなタイプの不登校の子は留年のタイムリミットや学期や学年が終わりに近づくと「もう後がない」と、にわかに焦りだすのです。

 

ギリギリタイプの不登校の解決法 その2

日常生活でのギリギリは?

その子がギリギリタイプかどうかを見極めるヒントは実は日常生活にあります。特に「夏休みの宿題」「部屋の掃除」「入浴のタイミング」などが良い例です。一年で一番長い夏休み。とうぜん宿題・課題もたくさんでます。「早めにやってしまう子」、「毎日コツコツと計画的にこなす子」、「新学期の間際になってようやく動きだして徹夜で仕上げる子」・・。子どもさんはどのパターンでしょうか。また、部屋の掃除についてはどうでしょうか。「日頃からこまめに掃除する子」、「強くいうと片づける子」、「『明日中にしないと全部すてるわよ』とリミットを決めてようやく動く子」・・・。そして、お風呂も同様です。ギリギリタイプの不登校の子は「もうお湯をぬいちゃうよー」でしょうか。もちろん勉強ずきな子・掃除のすきな子・お風呂のすきな子は例外です。このように、ギリギリタイプの不登校の子は、ギリギリに動くのは登校だけとは限らないのです。

 

ギリギリタイプの不登校の解決法 その3

ギリギリが絶好のチャンスです

淀屋橋心理療法センターでは、ギリギリタイプの不登校の子どもさんの事例・相談をたくさん解決してまいりました。実際に相談に来所されるのは親御さんが中心なのですが、親子の関係や互いのタイプの違いをよく観察すると、一定のパターンが見えてきます。ギリギリタイプの不登校の子の親御さんは、どちらかというとテキパキされていたり、何でも早めにやってしまわれる方が多いようです。そんな親御さんから不登校で、かつ動きの遅い子を前にすると、ついついせかしてしまうといったパターンになってしまっているようです。しかも、皮肉なことに「早めにやった方があとが楽よ」「いつもギリギリに苦労するんだから先にやっちゃいなさいよ」「テレビは宿題をすませてから!!」と、いくら言い方を工夫しても結果は変わらないのです。さらに、不登校でも「留年」がかかってくる高校生ともなるとなおさらです。「カゼでもひいたらどうするんだ。せめて一週間ぐらい余裕を残さないと!」と親御さんや先生の焦りやイライラにも拍車がかかります。

 

親子の関係が混沌としてしまっているならば、この根本の「ギリギリ」の見方を変えてみましょう。ギリギリタイプの不登校の子は、ギリギリになってくるほど「その気」になってくると同時に、行動力も伴ってくると考えることができます。また、そんな子は日数や時間にゆとりがあるうちは「留年まであと何日」だとわかっていてもその気になれない上に、周囲からは不登校中なのにのんびり構えているように見えてしまいます。

 

ギリギリタイプの不登校の解決法 その3

ギリギリタイプの子の見た目に注意

ギリギリタイプの子に対して一番気をつけないといけないのは、のんびりしているよう見える状態が、イコール「この子の結論(気持ち)だ」と決めつけてしまわないことです。ギリギリになっていざ再登校しようと重い腰を上げようとした時に、親子の関係や担任の先生との関係が冷めきっていたり険悪な関係になってしまっていると、不安な気持ちを打ちあけたり再登校の手助けをお願いしにくくなってしまいます。

 

そうです。不登校が長期化し、留年のタイムリミットが間近に迫り、高校生の我が子が「イライラ・そわそわ」してきた時が絶好の再登校のチャンスなのです。「だから早めに登校しろと言っただろう」と言いたい気持ちをぐっとのみこみ、「やっと再登校する気になってきたか」と考え、しっかりと子どもさんの話につきあってあげて下さい。また「イライラ・そわそわ」している時が再登校時の不安もピーク状態なので、不安な気持ちを正直に打ち明けやすいチャンスなのです。もちろん、ギリギリになっていざ再登校しようという時だけでなく、日ごろから些細なことでも気になることを気軽に話せる関係が築けていれば、これほどの苦労をせずに済みます。動くのはギリギリでも、日頃から親や先生に気兼ねせず不安な気持ちを口にできる関係ができていれば留年ギリギリになって再登校できる確率が格段にアップします。

淀屋橋心理療法センター
所長 福田俊一
小川和夫(不登校・非行専門カウンセラー)

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