高校生の不登校 公立高校での挫折

中学時代は成績優秀で部活動も一生懸命やっていた子が、そのまま進学校にすすんだところ、次第にトーンダウンし、やがて不登校になってしまう子がいます。勉強もとてもよくできるし運動神経も決して悪くないのにです。

最近では、公立高校でも文理学科を設置したり、有名私立高校なみに大学進学に熱を入れている高校が増えてきているようです。もはや共に進学実績でしのぎを削りあい公立・私立の区別が曖昧になってきている感じがします。

そんな中、高校受験をした子に思わぬ誤算が生じることがあります。有名私立高校なら入学前から厳しい勉強が待っているという心づもりができるものの、トップレベルの公立高校はどちらかというと私立よりは自由・ゆとりがあるといったイメージを抱いて入学する子もいるようです。ところが、入学するや否やすごいペースで勉強が進むのです。部活動が厳しい公立高校も少なくありません。

不登校になる子は、成績優秀ではあるものの、自分なりに一つ一つ納得しながら勉強を進めていくというスタイルの子が多く、勉強のペースがはやすぎると十分に納得できないままに次々と授業が進んでしまい、本来の勉強のスタイルが崩れてしまいます。ついには勉強に対する意欲や登校する意欲さえも失ってしまう子もいるのです。

<不登校の子に対する理解が深まるキーワード>

  • 納得
  • 心づもり
  • 自分のペース

淀屋橋心理療法センター
福田俊一(所長・精神科医)
小川和夫(不登校・非行専門カウンセラー

2012年3月16日

高校生の不登校「起立性調節障害」という理由を嫌う子

高校生の不登校なら、欠席日数が増えてくると「留年・進級」のことが問題になってきます。学校によっては「診断書を出すように」求められることもあります。怠学(怠け)ではなく病欠であるという証明のために必要であったり、進級判定会議の判断材料に用いられることもあるようです。

小学生や中学生でも同様に、「朝なかなか起きられない」子のことを心配して、ご両親が小児科や心療内科・神経科などのクリニックの受診することもあるでしょう。

そして、医師から「起立性調節障害」という診断名が下された場合、親御さんや学校の先生方の中には、怠けではなく病気なんだという意味で安堵感をもたれる方もいらっしゃいます。一方、ちゃんとした診断名にも関わらず、当の本人は「起立性調節障害」という言葉を嫌う子が多いようです。何人かにお聞きしたところ、「障害」という言葉が入っているのが気になるようです。

そのため、ヒトの目を気にする子どもさんの中には「起立性低血圧」という名称をクラスメートたちに使ってるようです。実際にはこのような病名もあるようですが、どうやら子どもさんは、自分なりに知恵をしぼって「まんざら嘘でもなく、かつ、聞こえの良い」病名を考えたようです。

淀屋橋心理療法センター
所長 福田俊一
不登校・非行専門カウンセラー 小川和夫

2012年7月26日

不登校の小学一年生が語る。行きたくないのは「先生が怖い」から

おどろきの見出しですが、一番のポイントは「小学一年生」なのです。淀屋橋心理療法センターでは40年近く不登校の解決のお手伝いをしてまいりました。その中で「先生が怖い」という理由が小学一年生に限り、不登校の理由のダントツ一位なのです。

ただ、不登校の初めから「先生が怖いから行きたくない」というわけではありません。休み始めの頃は「お腹が痛い」「頭が痛い」といった、身体の不調(心身症状)を訴えて不登校になる子が多いようです。

それが不登校のカウンセリングを進めるうち、身体症状(心身症状)が減ることに反比例して「担任の先生が怖い」「先生に会いたくない」「あの先生がいっつも怒ってる」など、担任の先生を批判する発言が増えてくることがよくあります。

もちろん、実際には不登校の子に対して担任の先生が厳しく叱ってばかりいるわけではありません。むしろ、小学生の不登校の子は真面目な子が多く、自分は叱られていないものの、他の子を叱っている先生を見て「怖い」と感じるようです。中には、叱っているわけではないのに、担任の先生の語調が強かったり、声が大きかったり、早口でしゃべるだけでも同様に「恐怖心」を感じることもあるようです。

では、他の子も同じ環境にいるのに何故その子だけが不登校になるのでしょうか。それは親御さんから幼稚園・保育園時代の様子や、家庭のムード・教育方針などをお聞きしていると、一つのヒントが浮かび上がってきます。簡単にいえば、恐怖心を感じる子(過敏な子)は、「恐怖」そのものに慣れていないということが言えます。幼稚園や保育園では先生方がとても優しく、家の雰囲気もとてもアットホームで、「叱る・叱られる」「怒鳴る・怒鳴られる」といったことに不慣れなのです。

一方、小学校に入学するとそうはいきません。集団行動や授業態度など、一定のルール(厳しさ・けじめ)が求められるようになります。もちろん授業中の私語や立ち歩きなども注意や叱責の対象になるわけです。

新しい環境に「不慣れ」→→→「恐怖感」

という図式になるというのが大きな原因のようです。それに加えて、小学一年生。いわゆる表現力が不十分であったり、ストレス源が自覚できないということも深く関係しているようです。

淀屋橋心理療法センターのカウンセリングは、「短期解決=早期再登校」が第一の目標です。「恐怖心」の元がわかったならば、早急に親御さんに対応の工夫をお勧めしたり、担任の先生に協力をお願いすることで、比較的早期に再登校できる道筋が確立しています。

淀屋橋心理療法センター
所長 福田俊一
担当 小川和夫(不登校・非行専門外来カウンセラー

2012年9月20日

小学生の不登校のカウンセリング

原因不明の不登校

いじめはないみたいだし、勉強にもついていけてるはずなんだけど・・」。小学生の不登校ははっきりした原因がわからないことが多いものです。原因がわからないから再登校を強制して良いのか、再登校する気になるまで待てば良いのか、対応に困っているというご相談が増えています。頭を悩ませているところへ、

「不登校なんて甘えよ。もっと厳しくしないと!」「無理じいすると不登校が長期化するわよ。自分で動きだすまでそっとしてあげて」など、周囲から様々なアドバイスが・・。

そこで今回は小学生の不登校にありがちな「悩みの種」と解決策・対応方法の一例をご紹介します。

 

不慣れ・変化といった不安と不登校

小学生、とくに小学一年生は環境が大きくかわり、何もかもが初体験。学校生活もハラハラドキドキの毎日です。なかなかクラスになじめないし、担任の先生に叱られることにも慣れていません。そんな中、たとえば担任の先生が何気なく他の子を叱った場合、たとえ優しく叱っても、慣れない子にとっては「学校や先生が怖い(不安)」と感じることがあります。学年があがっても、「リコーダーの習い初め」や「算数の単元が変わる」といった変化の時期にもこうした不安や恐怖心を抱くことがあります。小学校を離れても、夜になって翌日の登校のことを考えるだけで不安になる子もいます。最近では小学生でも毎年クラス替えがあったり担任の先生もかわるという学校も増えてきました。小学一年生だけでなく小学生のうちはめまぐるしく変わる環境に戸惑うことが多く、それがやがて「漠然とした不安」となって子どもさんを苦しめることになるのです。

 

自我の芽生えと不登校

今まで何気なくつきあってきた同級生。ケンカをしても知らないあいだに仲直り。しかし、小学四年生から五年生ぐらいになってくると、友だちとの相性が気になってきたり、ケンカをしたことが尾を引いてしまったり、男女の性の違いを意識したりと気になることが増えてきたりと、気分転換が難しくなってきます。これがいわゆる「自我の芽生え」です。思春期の入口とも言えます。こんな時に大きな変化(クラス替え・転校・病気・入院)を経験したり、学校でハプニングが起こったりすると、今までのように簡単には解決・解消ができなくなってきます。これが思春期特有のストレスです。ここをうまく乗り切ることができず不登校になってしまう子もいるのです。

不登校が長期化する子の性格・持ち味

何かのきっかけで不登校になっても、小学生のうちはクラスメートの声かけや好きな行事(運動会・校外学習)などちょっとしたきっかけで再登校できる子もいます。両親や担任の先生の励ましが効果をあげることもあります。しかし、色々な工夫をしても再登校できなかったり、励ますとよけいに意固地になって不登校がつづく場合、その子の性格や持ち味をしっかり見てみましょう。不登校になる小学生の子は励ましたり積極的に登校をうながすことが裏目にでてしまうことがあります。

不登校中でも学校を身近に感じるように

不登校の長期化を恐れて学校の話題を避けているばかりでは、なかなか再登校が見えてきません。不登校中でも「学校の話題」は重要なのです。そのためには親子の会話の中に学校にまつわる話題がどんどん出てくる方が望ましいのです。小学校低学年の子ならお母さんと一緒に小学校の校門をタッチして帰ってきたり、学校の理解が得られれば担任の先生の授業を一緒に受けてみるのも一つの方法です。話題にものぼりやすくなますし、共有できる部分があることで話が弾みやすくなります。小学生の中学年・高学年なら別室登校という手もあります。中には休み時間にクラスメートや担任の先生と話をしてみたり、給食だけ一緒に教室で食べてみたりと少しずつ慣らしていくことで克服できる子もいます。

不登校中の学校との連携

それでもどうしても学校に足が向かない子の場合、担任の先生に家庭訪問をお願いしたり、クラスメートにプリントを届けてもらう方法もあります。たとえ本人が会うのをしぶっても大丈夫。お母さんが子どもさんの代わりとなって、担任の先生やクラスメートと接してみて下さい。ポイントは「気軽さ」です。お母さんが担任の先生や友だちと気軽に話していると、次第に安心感をおぼえたり「今日はどんな話だった?」と小学校やクラスのことに興味を示してくることが期待できます。

その際、子どもさんの口から小学校や担任の先生に対する不満や、再登校に対する不安が出てくることがあります。これはお母さんと一緒に登校する場合でも同じです。実はこれが何より大事なのです。お母さんがその話をしっかり聴いてやるとさらに効果的です。不登校の原因や再登校する際の不安など、自分の思っていることが何でも話せ、お母さんにしっかり聴いてもらえるうち、「よし、がんばろう」と登校する勇気が湧いてきたり、「もう気にしなくていいや」と不登校の原因そのものを開き直ったりすることができるようになります。