【不登校】川崎市・中1少年殺害事件。担任教師の対応は?

新学期から不登校になってしまい、ついには殺害されてしまったU君。私ども不登校・非行の専門カウンセラーとしては、色々なことが気になります。今回は「朝日デジタル 河井健氏・筆、2015年2月25日07時41分発信分)」の記事を引用させていただき、まずは「担任教師」の対応について、私どものカウンセリングで関わりがあったり、お世話になった先生方との比較をしてみたいと思います。※決して担任の先生(学校)を批判するものではありません。

 

【かっこ】内は記事の原面をそのまま引用しています。

【冬休み明けの1月8日から不登校になった。担任は同日、母親の携帯に電話。】

→「携帯に電話」というのは本人の前では話しにくいこともあるのかもという配慮があったかもしれません。実際、家の固定電話に電話をすると子どもが近くにいるため、あまり多くを・正直に語れない親御さんもおられます。また、ごく稀ですが、子どもさんが学校を休み始めて数日して「月曜から来てないんですが・・」と担任から電話があり、それで子どもの不登校を知るお母さんも・・。最近は仕事をもっておられる親御さんも多く、登校したフリをして親の出勤後にこっそり家に戻ってくる子もいるのです。

 

【その後も毎日のように自宅や母親の携帯に電話を続けた。】

→「毎日のように電話」というのはなかなかできないのでは?。当センターのカウンセリングでは特別な事情がなければ「毎日の電話」は大歓迎です(母親を通じてお願いすることもよくあります)。実際のところ毎日お電話くださる先生は少なく、休みが長引くほどに電話がなくなってしまうこともしばしばです。不登校のカウンセリングでは、先生の空き時間を狙って親御さんの方から電話していただいたり、学校に足を運んでいただくこともよくあります。ただ、今回の担任の先生の電話の回数は「34回」。決して少なくないという印象です。

さらに、お母さんがおっしゃった「学校を休む理由」も気になります。数ある理由の中でも「本人と連絡がつかない」。ということは「連絡がつかない=家にいない」ということだったのでしょうか?。

 

【学校からは事件までの対応について報告を受けておらず、不登校児や保護者を支援するスクールソーシャルワーカーの派遣要請も受けなかった】

→不登校の子が何日休んだら教育委員会に報告すべきなのか、残念ながら詳しい規則は知りません。ただ、一週間や二週間生徒の欠席がつづいた場合に教育委員会に報告すれば、適切な対応をとってくれるのでしょうか?。少なくとも大阪などの都市部ではクラスに1人か2人不登校の子がいる場合もあります。その度にスクールソーシャルワーカー(S.S.W.)を派遣してくれるのか・・。長年不登校のカウンセリングを担当していますが、週に一回か二週間に一回程度スクールカウンセラーが学校に来られ、相談ができるという仕組みはよくお聞きするのですが、スクールカウンセラーの先生が家庭訪問して下さる例は本当に少ないと思います。

いずれの場合も、中学1年生の段階ではまだまだ担任の先生の役割は重要であり、身近な相談相手でしょう。今回のケースでは、現時点での報道をみる限りでは、「親身に・マメに」対応されていたような気がいたします。もちろん、今後の報道の行方によって、判断は変わるかもしれません。

(出典元:朝日デジタル 河井健氏・筆、2015年2月25日07時41分発信分)

 

不登校と非行のカウンセリング.png

淀屋橋心理療法センター(公式HP→https://www.yodoyabashift.com/)←クリック!

所長 福田俊一(精神科医・心療内科医・児童精神科医)

担当 小川和夫(不登校・非行問題研究室長 ファミリーセラピスト・心理カウンセラー)

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新学期から不登校 身近に迫る高校生の留年への焦り

新学期から不登校・・・高校生の留年のピンチをどう乗り切るか

 

高校生の不登校は、小学生や中学生の不登校と違い、「留年」という避けては通れないハードルが設定されています。4月の新学期早々から不登校になって休みつづけている子は、6月から7月になると留年決定のピンチです。私立高校の場合は独自の留年判定基準があるようですが、留年基準の厳しい高校だと5分の1の日数を休んでしまうと留年というところがあると聞いたことがあります。また、高校によっては病院・クリニックなどの「診断書」を提出すれば、不登校の日数や留年の基準を配慮してくれるところもあるようです。

 

留年は一般的に「一年間の出席すべき日数のうち、何日休んだら留年」や「科目ごとに一定の日数(コマ数)を休んでしまうと、年間の登校日数は大丈夫でも科目の単位が認められず留年」といった、一定の留年判定基準があります。ただし、「科目の単位のうち○○単位までは落としても仮進級できる」「何単位落としても、年度末の職員会議まではわからない」といった、高校によっては留年の判断基準に違いがあるようです。

 

不登校の子は、大まかには留年決定の基準(タイムリミット)はわかっているかもしれませんが、「あと何日休んだら留年」といった正確なタイムリミットまでは把握できないでしょう。まして科目ごと(単位ごと)に「この科目はあと何日」と計算するのは、不登校中の高校生にとっていっそうハードルが高いといえます。また、いくら自分の子どもの不登校や留年が心配でも、親御さん自身が留年の判定基準を把握したり「留年まであと○日」と計算するのも難しいと思います。

 

そんな時は、早めに担任の先生に相談されることをおすすめします。担任の先生によっては「まだまだ大丈夫ですよ」「今からそんな心配しなくていいですよ」と、留年のことを気にしないようにとおっしゃる先生もおられます。しかし、漠然と「まだ大丈夫」と言われても、親にとっても不登校の子にとっても、心づもりができないだけに不安です。不登校の子の中には、正確な留年のタイムリミットをきいて「やばい!」と慌てて再登校しだす子もいます。また「○月○日までには再登校しなくちゃ」と留年のタイムリミットがわかるだけでも、自分なりに登校しやすいタイミングを留年ギリギリまでに考えるチャンスも生まれてくるのです。

 

事前に予告もなく「留年が決定しました」という事態だけはなんとしても避けなくてはなりません。留年は人生の中でももっとも大きな危機(ピンチ)の一つです。しかも、心づもりができないうちに留年が決定してしまうと、それがトラウマになって後々までひきずったり、ひきこもりのきっかけになることもあります。生徒手帳をしっかり見直したり、担任の先生に「いつになったら教えてもらえますか?」など、家族は留年のタイムリミットを知りたい・気にしているという意向をしっかり伝えましょう。ただし、留年決定のタイムリミットを不登校の本人に伝えるタイミングは慎重に考えなければなりません。(留年のタイムリミットを)早めに伝えた方が良い子、遅めに伝えた方が良い子と、不登校の子のタイプによっては使い分ける必要があるのです。淀屋橋心理療法センターの不登校のカウンセリングでも、子どもさんのタイプやこれまでの不登校の治療経験などと照らし合わせ、不登校の本人に伝えるタイミングを図っています。

 

 

淀屋橋心理療法センター

所長 福田俊一

担当 小川和夫(不登校・非行専門外来カウンセラー)

 

 

新学期から不登校。不登校になったらすぐ動く!

不登校…新学期から不登校・・・休みだしたらすぐ動く!

不登校の原則 その1

「見守る」「見守りましょう」の落とし穴

「新学期」という再登校のきっかけを逃してしまい、不登校から脱出できなかった子。新学期早々から不登校になってしまった子。とりわけ、これまで不登校は他人事のような感じだった親御さんにとっては新学期早々のつまずきは相当なショックでしょう。あわてて色んなサイトを調べたり、公的機関に相談の電話をかけたりと、色々と動き回られたことでしょう。

そういった状況にも関わらず淀屋橋心理療法センターに不登校の相談の電話が集中するのは毎年のように5月の半ばから後半なのです。事前相談(無料相談)に来所された親御さんにその理由を尋ねると「不登校の子に無理強いはダメ」「再登校する気になるまで、子どもの自主性に任せない」「様子を見守ってあげれば自分から登校するようになるわよ」「不登校の心の傷が癒えるまで休ませてあげなさい」等、いわゆる「見守りましょう」路線を色んな人に勧められたり、サイトや本に書いてあったそうなのです。

「見守る」=「何もしない」という理由で、一見、安全策のようにも見えます。しかし「早期」に「不登校状態から脱出させてやりたい」と望む親にとってはどうでしょうか。当の不登校状態の本人も「早く再登校したい・不登校の理由をわかってもらいたい」と考えているかもしれません。そういった意味で、私どものカウンセリングでは「見守り対応」は「NG」です。一部の例外はありますが、不登校状態が長引くほどに余計に再登校しにくくなる上に、対応する親の方も疲れてしまいます。

 

不登校の原則 その2

不登校が長びくことで強くなる「不安」

最初はどんな理由やきっかけであれ、不登校状態が長期化してくると、不登校の理由が変わってしまうことがあります。たとえば不登校のきっかけが「○○君たちから仲間はずれにされた」や「授業中に恥をかいた」という理由だったとします。でも、不登校が長期化してくると「みんな自分のことをどんな風に思ってるんだろう」「ずっと休んでるから変な病気だと思われていないかなー」「登校したらみんなからイヤなことを言われるんじゃないか」と、気になることが変わったり広がったりするのです。

当センターの所長は「人間のいきづまり」と「機械の故障」の違いをよく例に挙げます。機械は故障するとそのまま止まってしまいますが、故障の原因さえつきとめれば解決します。でも人間は違います。動きが止まった(不登校)としても、毎日もがき、悩みつづけているのです。特に「いじめ不登校」だとその苦しさはいっそう強いのです。もちろん、いじめられて不登校になった子もいじめた張本人も、どちらも「人間」です。単にいじめた子を注意したり、「もういじめない」という約束をとりつけるだけでは解決しないのです。

 

不登校の原則 その3

「息継ぎ」はできていますか?

毎日がいっぱいいっぱいで、不登校ギリギリの悩みを抱えている子でも、一日登校できると週末まで続けて登校できる場合があります。これは「いきおい」の助けもあります。ただし、勢いだけで登校している子は週末、特に日曜日に注意が必要です。連休をはさむことでせっかくの勢いが衰えてしまい、「楽な休日・楽な家」と「しんどい学校」の違いをいっそう強く感じて不登校になる子も多いのです。また、4月をなんとか乗り切ったと思ったらGW(ゴールデンウイーク)が待っています。年によって違いますが、連休が長いほど不登校に要注意。また、4月に溜め込んだストレスも上乗せされます。このように連休あけをきっかけに不登校になってします子の多くは、普段からストレスを吐き出す「息継ぎ」が上手にできない子なのです。逆に、毎日毎日、帰るや否やうるさいほどグチる子の方が息継ぎが上手だと言えます。意外とグチグチ言っている割には不登校の心配が少ないのです。

 

不登校の原則 その4

「気まずさ」と「気軽さ」

不登校はまだまだ「難病・奇病」のように扱われる傾向にあります。「下手にさわってこじらせたら大変」「学校の話題は避けた方が・・」など、まるで不登校の子が「腫れ物」のような扱いをうけることがあります。当の本人も休み始めはイライラしたり部屋にこもったりと、人を寄せつけない雰囲気を作り出してしまいます。しかし、家族が遠慮して声かけをひかえたり、担任も下手に刺激しないために家庭訪問をひかえるといった方法は、本人との「気まずさ」を助長するだけで、解決の見通しはなかなか開けてきません。休んでいても家族とは気軽に会話をかわし、学校の情報も頻繁に入ってくるという状況が早期解決には欠かせないのです。

 

不登校の原則 その5

休み始めたらすぐ動く!

 

親御さん(親の対応)

日ごろから「息継ぎ」が大事だということは説明しました。この息継ぎの中身はたいていがその日の出来事に対する「グチ」か、翌日の事が気になってでてくる「不安」です。この二つがしっかり話せることが何より大切です。ただし、一般的にはグチは「なだめる」、不安は「なぐさめる」という対応が取られますが、それでは不登校に至った子は満足できません。「自分の辛さをわかってもらえない」と感じてかえって口が重たくなることもあります。意外とガンコなのです。もちろん、グチや不安をだれかれ構わず話されては困ります。でも相手が「親」限定なら許されます。外でニコニコ、家でグチグチは「あり」なのです。担任の先生と連携できればさらに効果的です。電話や訪問で得た「情報」を、子どもさんと共有して下さい。そして、その情報から感じることを存分にしゃべらせてやり、しっかりと聴いてやって下さい。それだけで登校につながることがあります。

担任の先生(教師の役割)

不登校の子がまず気になるのは勉強面よりもクラスの動向、つまり「人間模様」です。自分の不登校は噂になっているのか、気になるあの子はどんな様子なのか、休み時間はどんなムードか、今はどんなグループに分かれているのか、みんな順調に登校しているのか、自分の席の周りには誰が座っているのか・・。こんな情報が電話やメールを通じて入ってくれば、学校は休んでいるもののクラスのイメージが浮かびやすく、あたかも登校しているかのような気分を味わえます。こうすることで、再登校時に自分がどんな振る舞いをしたら良いかといった、段取りや心づもりがつけやすくなります。さらに、この情報を家庭訪問で流していただければ、先生に対する親近感・安心感も増します。本人が会いしぶる場合は親と話すだけで十分です。回を重ねることで近づいてきたり、親を通じて質問をしてくることも期待できます。情報量と訪問(電話・メール)の頻度は多いほど効果的です。

 

淀屋橋心理療法センター
所長 福田俊一
小川和夫(不登校・非行専門外来カウンセラー)